紗倉まなさんの「最低。」読了。

AV女優の紗倉まなさんの処女作「最低。」の読了レビューです。

MontBlanc.です。
読了自体は済んでいたのですが、色々バタバタしていたので、やっとこさって感じです。
AV女優 紗倉まなさん著の「最低。」読了です。
ちなみにamazonや楽天のランキングで上位とかいってるらしいです。すごい。

本の構成

作品は4章構成でそれぞれに主人公がおり、「AV女優」「AV監督/プロデューサー」「人妻」「元AV女優が親の娘」達がそれぞれがどうやってAV業界に関わっていくのか、あるいは関わっているのかが当人たちの日常生活を垣間見るように進行していきます。
小説なので内容はもちろんフィクションです(本人曰く結構取材を重ねているとのことで、もしかしたらどこかに実話とか混じってたりして)

ざっくり感想。

読みやすい。非常に読みやすい!

自分の状態として、高校生や大学生の頃は著名な人の文芸書とか自己啓発本とか活字には慣れ親しんでいた身でしたが、
社会人になってから技術本などを流し読みになっちゃうくらい、活字から離れている、という感じです。
そんな私でも読みやすい作品でした。
主人公の心情や行動が多すぎず、少なすぎないバランスで書かれており、小説ならではの妄想をしやすい構成になっています。

独特な言い回し

「めんど、くさ」などの独特の区切りを作中でちょろちょろ出て来ます。
なんか個人的にここ独特な感じが、作中に出てくるAV女優さんの共通した感情なんだろうな、感じました。と同時に作品のテーマという。
なんというか、気だるいとも違う「ふわふわとした印象」ですね。空虚とか無とかそんな感じ。

まえがき、あとがきが欲しかった!

うわぁマジか!(泣)と思ったのが、まえがき、あとがきが無かったこと
小説本編とは違って作者の心情やコンセプトが書かれるまえがきがこの「最低。」にはありませんでした。
普段、こういう箇所は読まない人なのですが、是非、読んでみたい!と思っていました。
ただ、ふと思うと、もしここで自分の思ったことなどを著者本人が書いてしまうと、「AV女優」という先入観がかえって生まれてしまうのを懸念して書かなかったのかも、とも思いました。事実、私も「同じ業界にいた人が文芸書書いたんだ!」という感情から読んでいたので。
そこまで考えて書いていなかったとしたらもう完全に術中にはまってしまっていますね笑

かつて同業界にいた身として読んで思ったこと

ちなみにAV業界にいた頃の私は時はデザイナー、WEBデザイナーだったので、この本の中の方々にはほっとんど関わってないっす。
強いて言えば、プロデューサーさん依頼でジャケットの作成したり、打ち合わせに行ってデビューする女優さんの特設サイトをどうするかで打ち合わせをするくらい。
たまに女優さん挨拶に来てくれる程度。

その中でも読んでいて興味深かったのが、プロデューサーになる人の視点での話のくだり。
今までお会いしてきたプロデューサーさん、色々いたんですよね。テンション高い人、めっちゃキレる人、社会不適合者。
ここまでなら「まぁ、この業界だしなぁ」と納得できるのですが、たまに「なんでこの業界入ってきたんや・・・」って思うほど、人格者で仕事ができる人とかがいるんです。
そういった人が何故、AV業界にいるのか、というのがこの作品を通して少しわかった気がしました。

AV女優の生い立ちについてはこれが全てでは勿論ないですね。
ホントに色々な理由で働いている人が多いので。そこについてはあんまり他の業界と変わらんです。

最後に

サイトだったかブログだったかは覚えてないのですが、紗倉まなさん、以前に自信の夢として「小説家になりたい」と言っていまして。
AV女優さんという職業でありながら、こうやって文芸書を発売するという、自信の夢を現役でこうして達成するというのは本当にすごいことだなと思います。
AV女優さんが本を出すことは結構あるのですが、あくまでエッセイ。現役の方で文芸書を発売というのはおそらく業界初です。
今後もさらなる活躍を期待ですねb

ではでは〜b

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