載せる作品が少ないと悩んでいる人に読んでほしい、魅せるポートフォリオの考え方。

使える作品数が少ないと不安に感じていたり自分の作品に自信がない人に贈る、ポートフォリオ作成法です。

大学時代に所属していたゼミの懇親会に参加したのですが、作品数が少ないことが悩みの学生さんの相談で、アドバイスとしてみんなで話していたことが良さそうと思ったので自身の考えも含めて記しておきたいと思います。

ポートフォリオ作成法は、ググれば由緒(?)あるデザイナーの方々のお知恵がたくさんあるので、その中の考え方の一例として読んでもらえると嬉しいです(^ω^)

結論、作品は少なくても大丈夫だと思う

目算ですが、それぞれ独立したクリエイティブ3〜4種とかでも大丈夫だと思っています。
中途半端にたくさん作るよりも、本気で命を削るかの如くの気持ちで作った数点の方が制作物にも面接時にもその熱意が伝わってきます。

制作物に対しての「深掘り」が大切

ポートフォリオ持参の面接では、必ずと言っていいほど「ポートフォリオ内の作品の制作意図」について聞かれると思います。

むしろ面接側にとってはここが大事で「この人はどういう状況下でどういった意図で作ったのだろう」というのが聞きたくて聞いています。
その答えが「その人が会社に入った時にどう働いてくれるのか」のイメージにつながるから。

※思う、書いているのは「どれだけ数出すかでしょ!」という方針の方もいる点と、僕自身もあるにこしたことはないというスタンスのため(でも数が多いが大事ではない)
ここは各々の制作会社や企業の性質で変わってくると思います。

「作品数が多いことが正義」とは限らないんです

たまに大量のWebバナーをたくさんまとめてドヤッとしたポートフォリオを送ってくる方がいますが、こういったケースは、書類選考の時点で落ちることがあります。(僕も何回か書類選考時点での不採用にしたことがあります)

使用シーンや作成意図がないと「装飾のクオリティ」しか図れない

何故落ちるのかというと、面接時にバナーの作成を意図などを伺うと、ハッキリとした理由や明確な意図などが答えとして返ってこないことが多いためです。

バナーは表示している面によって、作成クオリティやトンマナを変えたりするので、このバナーがどの面でどのように出ていたのかがわからないと、デザイナーとして幅を測りづらかったりします。
(コテコテの高クオリティのバナーが必ずしも良いとは限らないので)

仮に、全部説明できるとしても、A4サイズ1面に20種類のバナーを説明されたら、それだけで面接が終わってしまいます。。(WebサイトやLPも同様)

“制作物”だけでは図れない時代

特に昨今の”デザイン”では、クオリティだけでなく、フローを想定できているか(UX視点)だったり、バナーで言えば、そのバナーでどれだけのクリック率とコンバージョンを出し、どのくらいの利益貢献を得ることが出来たのか(マーケティング視点)なども見られることもあります。

少ない作品数のポートフォリオの戦い方

じゃあ実際どうすればいいの?という話ですが、答えは先程書いた「深掘り」です。
ひとつひとつの作品に対しての「背景」を書いていくのです。

自分がこの作品に対し、どれだけの思考を働かせたのかを記す

Webサイトやバナーに対して、どういった背景(想定)で作成したのか、この装飾はこういった意図で付けたなどを書いていきます。
そうすると、ひとつの作品で2〜3ページを消費できますぞ・・・!(4作品なら8〜12ページいける)

この時に「この作品に対しどれだけの愛情を注いだか」を書く人もいますが、それは全体の1割くらいで良いと思います。
何故なら、「好き好きビーム」付きの意図を書いてしまうと「好きなのはわかったけど、好きじゃない案件の時はどうなるんだろう」と少々不安になるためです。

また、文章が長くなってしまう場合は、制作過程のラフや、ボツパターンなども掲載してみて、
説明・補足にもデザイン性を入れていくと、見る側も読みやすくなります。

ポートフォリオも”作品のひとつ”にする

ポートフォリオをただの作品集ととらえずにデザインをすると、ポートフォリオ自身も作品のひとつで紹介できるのでオススメです。

そもそもポートフォリオや、他のデザイナー達のポートフォリオ、少なくとも10〜20冊と仮定して、その膨大な作品達を少数のデザイナーの方々がチェックするわけで。
その方々が見る作品集が“ただの作品集”では、よほど作品自体に魅力がない限り、読み飛ばされるのがオチです。

であれば、表紙の惹かれるアイキャッチを入れたり、中身にストーリー性を入れ、読み手を「おッ!」と思わせる演出を入れれば、自分の作品集が読まれる可能性が上がるかもしれない。
もうこの工程の時点で「デザイン」が成立しています!

この工程を、作品として入れないわけにはいかない・・・!w
(僕も作品集のには必ずポートフォリオのコンセプトページを入れてました)

まとめ

・作品数少なくても大丈夫
・ひとつの作品に対して、丁寧に深堀って説明すると良い
・ポートフォリオも”作品”と考える

採用、転職時のポートフォリオは、顔と心となるものです。
「私はこういう気持ちでデザインしてるの!」という気持ちを作れば、例え作品数が少ないポートフォリオでも、読み手へ意図や気持ちが伝わるはずです!